top of page

ノルウェー派遣高校生平和大使・ノルウェー訪問

更新日:16 時間前

  10 月 11 日、日本被団協がノーベル平和賞を受賞しました。ノーベル賞委員会は、日本被団協の平和賞受賞理由として、「いつか歴史の目撃者としての被爆者はわれわれの前からいなくなる。しかし、記憶を守る強い文化と継続的な関与により、日本の新たな世代は被爆者の経験とメッセージを引き継いでいる。彼らは世界中の人々を鼓舞し、教育している。そうすることで彼らは、人類の平和な未来の前提条件である核のタブーを維持することに貢献している。」として、高校生平和大使をはじめ国内の若者たちの活動も評価しました。そのことをふまえて、ノーベル平和賞授賞式に合わせてオスロを訪問し、現地の各種団体や若者との交流を通して、被爆者の声を引き継ぐ若者としての姿や思いを世界に発信する為に12月8日~12日まで、広島・長崎・熊本の4名の高校生平和大使を派遣しました。

 

・高校訪問(12/9)

 ノルウェーのオスロにあるKristeligGymnasium高校に訪問しました。事前に用意してきたプレゼンテーションの発表を行い、一緒に折り鶴を折り、ディスカッションをしました。仲を深めながら折り鶴を折ることの大変さ、難しさを知ることができ、千羽鶴を私たちに託してくださった藤原さんの思いや願いが現地の高校生にも伝わっていると感じました。ディスカッションでは、若者の平和活動やこれからの核廃絶に向けての行動について話し合いましたが、やはり声を上げることがとても重要であるということを改めて再確認することができました。そして現地の高校生は平和への意識が高いと感じました。この交流は私たちから情報を発信するだけではなく、新たな学びを得ることができ、とても意義のあるものとなりました。

 その後、労働組合訪問、ノルウェー国営放送局・ラジオ取材、被爆証言イベントに参加しました。会場は入りきらないほどたくさんの方がイベントに足を運んでいました。

ここでは橋爪さんの被爆証言を聞きました。被爆者の高齢化が進む中で、直接被爆者の方から被爆証言を聞くというのは日本以外では特に中々ない機会だと思うのでオスロの地で被爆証言を聞けたことはとても貴重だと感じましたし、高齢化に伴い被爆者の海外渡航が難しくなっている今、私たち若者がこの被爆証言を日本だけに留めるのではなく、世界にも繋いでいかなければならないと強い責任感も感じました。

 ・授賞式、レセプション、トーチパレード(12/10)

 ノーベル平和賞受賞式に参加しました。田中さんのスピーチの際には、会場にいる全ての人が熱心に耳を傾け、涙を流し、そして終わった後には会場中の人が立って拍手を送っていて、感動的でした。その後のトーチパレードでは、オスロの市民の方や日本人の方など、そして若い方から年配の方まで様々な人が松明を持って街を練り歩きました。

中には、"被爆者の声に耳を傾けよう"といったボードを掲げて参加している人もいて、日本に限らず多くの人がなぜ今被団協が受賞したのかを考え、被爆者の方々の声を繋げようとしていることを知りました。被団協の方々が滞在しているグランドホテル前に到着した際には、トーチパレード参加者で"No More War"  "No More Nuclear Weapon" と多くの人が声をあげていました。

・Youth Dialogue With Hibakusha参加、赤十字、オスロ国際研究所訪問(12/11)

 11日の午前中は、Youth Dialogue With Hibakushaというイベントでは、被爆者、韓国の被爆者、ブラジルの被爆者の支援を行っている方など、現地の高校生、日本の高校生と交流を行いました。同じ被爆者であっても国によって差が出るということ、また、日本でも被爆体験者のように被爆をしたのに認められず苦しんでいる方が多くいることを共有できました。午後からはRed Crossを訪問しました。Red Crossでは、若者ができるだけ孤独などに押しつぶされることがないよう、若者の声を聞き政治に反映させたり、集まってみんなで活動を行う機会を作っている団体です。平和にはいろいろな形があって、若者の孤独感を少しでも軽減し生きる希望を持ってもらえたら、それも平和につながっていると感じました。その後、オスロ国際研究所で発表を行い、私たちの質問に答えていただいた。普段私たちの活動では、人の心を動かし平和や原爆、戦争を考えてもらうことを意識していますが、このオスロ国際研究所では、科学的根拠から平和を考えるという点で、私たちの思考とは異なる視点を学びました。最後の活動はオスロ大学での被爆者の方々による講義及び、発表でした。

私たちのスローガンである「微力だけど無力じゃない」("Our impact may be small but we are not powerless”.)ということを伝え、"世界中の人がそれぞれ世界をより良くする力を持っている"と言った時に、会場からは大きな"Yes"という声と拍手が起こり、私たちから伝えたかった想い全てが伝わったのかもしれないと思うと達成感と嬉しさで胸がいっぱになりました。

・ノーベル平和センター(12/12)

 最終日に訪れたノーベル平和センターでは、2024年のノーベル平和賞受賞者、日本被団協に関連した展示が行われていました。展示の中には広島・長崎の原爆投下直後の写真、被爆者の方々の写真、木の板で被爆者のデータを表し、視覚的に原爆の被害を表現した展示などさまざまでした。日本から遠いオスロの地で、原爆の実相を紹介するということは意義のあることです。ヨーロッパの人々が広島・長崎について知る上でネックとなる「距離」を少しでも解決することができたのかなと思い、とても嬉しかったです。被団協のブースの最後には、「若者への継承」ということで、広島の高校生平和大使が宮島で撮影した写真と言葉も掲載されていました。 

閲覧数:166回

最新記事

すべて表示
bottom of page